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資金調達マニュアル
株式会社設立時には実績がないため、銀行などから運転資金や設備資金を調達することは大変困難です。多くの方は公的機関による融資制度や助成金制度を利用しています。
1.有利な条件で融資を受けられる日本政策金融公庫とは?
2.融資を受けるポイントと創業者向けの融資制度について
3.返済の必要のない助成金制度とは?
4.銀行融資を受けやすくする方法
有利な条件で融資を受けられる日本政策金融公庫とは?
100%政府出資の金融機関で、首都圏に24店舗を展開し比較的低利率で融資を行っています。「新創業融資制度」として一定の要件のもと、1,000万円を上限に無担保・無保証人での融資も行っています。
また、創業期を過ぎた事業者の経営改善資金の融資なども行っており、創業期の付き合い方によっては継続的に融資の相談先とできる可能性があります。
担保が無く融資を受けることを諦めていた方も、条件が合えばこうした制度を利用して、苦しい創業期の資金繰りの役に立てることができます。
融資を受けるポイント
日本政策金融公庫から融資を受けるに当たっては、下記の2点にご注意ください。
1.自己資金の準備
自己資金ゼロでは融資を引き出すことは困難ですので、創業に必要な設備資金・運転資金の総額の3分の1は最低限、自己資金として準備しておくことが肝要です。融資は設備資金・運転資金について行われますので、資本金払込みのために融資を受けることはできません。
2.綿密な事業計画書の作成
融資を引き出すには、審査担当者を納得させる、綿密な事業計画書を作成する必要があります。日本政策金融公庫所定の事業計画書がありますが、これとは別にご自身で作成した事業計画書を提出することをお勧めします。
事業計画書では、1.創業の熱意、動機やビジョンとそれを裏付ける市場分析、2.実際にどのようにサービスを展開していくのかを販売・仕入れ計画によって明確にし、3.設備の見積りと運転資金をベースに売上予測を加味した、資金繰り(収支計画)といったマネープランの3つの具体的情報を、事業計画書に落とし込んでいきます。
創業者向けの融資制度
日本政策金融公庫では、下記の方を対象に創業者向けの融資を行っています。
【新企業育成貸付】 新たに事業を始める方や事業開始後5年以内の方
【再チャレンジ支援融資】 廃業歴等のある方で、創業に再チャレンジされる方
【女性、若者/シニア起業家資金】 女性又は30歳未満か55歳以上の起業家
【食品貸付】 店舗の新築・増改築、機械設備の導入、フランチャイズへの加盟などを行う方
上記の融資制度をご利用の方で、一定の要件をクリアした方には無担保・無保証人の特例措置により1,000万円を限度とする【新創業融資制度】の適用を受けることができます。
返済の必要のない助成金制度とは?
助成金とは、税金を財源に国や地方公共団体が法人や団体に支給するものをいい、融資のように返済の義務がありません。
創業支援に関する助成金には、下記の制度が設けられています。
【受給資格者創業支援助成金】 (窓口)ハローワーク
雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業から1年以内に雇用保険の適用事業所の事業主となった場合に、創業に要した費用の一部(上限200万円)を支給する制度です。
【高年齢者等共同就業機会創出助成金】 (窓口)都道府県雇用開発協会
45歳以上の高年齢者等3人以上が、共同して事業を開始し、労働者を雇い入れて継続的な雇用・就業の機会を創出した場合に、その事業開始に要した一定範囲の費用を500万円を限度に支給する制度です。
【中小企業基盤人材確保助成金】 (窓口)雇用・能力開発機構都道府県センター
創業や異業種進出に伴い、経営基盤の強化に資する労働者を雇い入れた場合は、5人を限度に1人につき140万円が助成され、一般労働者を同時に雇い入れる場合は5人を限度に1人につき30万円が助成されます。
銀行融資が通りやすい時期
銀行には貸し出し意欲が高まる時期があります。そのひとつが2月・8月の決算前の月で、他の月に比べると貸し出しに積極的になっています。次に数年ごとのローテーション人事で、支店長が交代した直後の時期もチャンスといえます。また、行き当たりばったりではなく、決算書の完成時期に合わせ、来期事業計画や資金計画を提出して計画性のある会社を印象付けながら、融資の申込みをすることをお勧めします。
融資を断られる会社
銀行担当者は、固定資産が無い、税引き後の利益に対する借入金の割合が高く圧縮の努力も見られない、資本金から債務超過に陥りやすいと決算書などから判断すると、稟議の通らない案件として融資を断ります。日頃より利益率や内部留保を高め、借入金割合の圧縮に努めることが必要となってきます。
複数銀行と付き合いリスクを低減させる
一行だけとの付き合いですと、融資が途絶えると資金ショートで倒産などとなるリスクが高まります。そうしたリスクを分散・低減するため、複数の銀行と付き合うことをお勧めします。これは他行との金利などの比較により、銀行担当者との交渉が可能となるメリットがあります。そのためには、バランスを考えた上手な取引を日頃より行ってください。
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